研究課題/領域番号 |
07557101
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
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研究分担者 |
上林 単彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10273640)
柴田 政彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50216016)
高階 雅紀 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (30221352)
真下 節 大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | キセノン / 笑気(亜酸化窒素) / 気道抵抗 / 循環 / 閉鎖回路 / 脳波 / 筋電図 |
研究概要 |
1)喘息モデル犬におけるキセノンの気道抵抗に及ぼす作用についての研究:プロプラノロールとメサコリンを用いた喘息モデル犬において、肺抵抗に対する亜酸化窒素吸入の影響はみられなかったが、50%キセノン吸入では軽度の上昇がみられた。すなわち、キセノン吸入は気道抵抗を増大させるが、その程度は軽度でガス交換を悪化させるほどではなかった。 2)キセノンの循環動態に及ぼす作用についての研究:雑種成犬をコントロール群と薬理学的自律神経遮断群に分け、ハロセンによる維持麻酔下で実験を行った。コントロール群ではキセノンが亜酸化窒素よりも循環動態の抑制作用が強かったが、自律神経遮断群では逆に笑気の方がキセノンより抑制作用が強力であった。この結果は、キセノンの循環系に対する直接的な抑制作用は亜酸化窒素よりも軽度であることを示している。 3)臨床使用のためのキセノン用閉鎖式麻酔機の試作:現有設備の閉鎖式麻酔機(ドレーゲル社シセロ)を改良してキセノン専用麻酔機を試作した。亜酸化窒素流量計をキセノンガス流量計に置き換え、キセノン濃度計を装着した。さらに、キセノンガス用ボンベを麻酔機外に装着した。今回の試作機にはガス回収装置は装着されなかった。現在、試作したキセノン用閉鎖式麻酔機を用いてキセノンの臨床試用を開始している。 4)キセノン麻酔における脳波および筋電図変化:7人の健康成人においてキセノン麻酔中の脳波(EEG)および顔面筋電図(EMG)の変化を亜酸化窒素麻酔と比較した。キセノンおよび笑気吸入によるEEG変化は両麻酔薬で同じような変化を示した。キセノンおよび亜酸化窒素麻酔における特徴的な変化は笑いの出現で、顔面筋のEMGにより確認された。麻酔中の笑いの出現頻度は、キセノンおよび亜酸化窒素でそれぞれ2/7および5/7であった。
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