研究分担者 |
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80228064)
斎藤 英昭 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30134555)
花岡 一雄 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80010403)
中川 恵一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80188896)
青木 幸昌 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40143474)
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研究概要 |
術中照射専用可動型電子線照射装置が以下の仕様で、試作された。本装置は、本体(Cアームで可動式),電源モジュレータ,操作器からなり、電子線エネルギーは4,6,9,12MeVのいずれかを選択可能で、出力は最大10Gy/分、平坦度は±5%以内で、本体ガントリ-回転±45度およびCアーム回転±30度が可能である。照射野は直径3-10cmが可能である。本体の重量は1140Kgで、寸法は輸送時、193cm×109cm×225cm、治療時290cm×109cm×266cmである。この結果、既存の手術場内の設置と、一人による装置の移動が可能となった。また、周囲の漏洩線量を減少させる目的で、加速管に鉛シールドを施した他、ビーム中心軸上の患者後方にビームストッパーを置いた。 壁面と、床面での漏洩線量測定を行った。患者等価ファントムに対して、10Gyを照射して測定した結果、本体ガントリ-角度は30度までにした場合にはファントムから3mの壁面での線量は10μGy以下であり、問題はないことが分かった。同一のファントムに10Gyを照射した場合の床下1mでの線量は、最大50μGyとなり、放射線管理区域の要求を満たすには、さらなる遮蔽効率の向上が必要であることが分かり、来年度の重要な課題となった。 本装置を規制する法規として、科学技術庁関係の放射線障害防止法と厚生省関係の医療法について検討を行った結果、放射線障害防止法では装置の移動に関する問題はなく、放射線管理区域設定上の運用が問題となるのみと考えられるのに対して、医療法では、診療用高エネルギー放射線発生装置は決められた使用室で使用するとされており、今後の重大な検討項目となった。
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