研究課題/領域番号 |
07557349
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青木 幸昌 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40143474)
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研究分担者 |
平岡 真寛 京都大学, 医学部・附属病院, 教授 (70173218)
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80228064)
斎藤 英昭 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30134555)
花岡 一雄 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80010403)
中川 恵一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80188896)
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キーワード | 術中照射 / 可動型電子線照射装置 / 漏洩線量 / 管理区域 |
研究概要 |
術中照射専用可動型電子線照射装置が完成した。電子線エネルギーは4,6,9,12MeVのいずれかを選択可能で、出力は最大10Gy/分、照射野は直径3-10cmが可能である。本体の重量は1140Kgで、寸法は輸送時、193cmx109cmx225cm、治療時290cmx109cmx266cmであり、既存の手術場内の設置と、一人による装置の移動が可能となった。また、周囲の漏洩線量を減少させる目的で、加速管に鉛シールドを施した他、ビーム中心軸上の患者後方にビームストッパーを置いた。米国、カルフォルニア大学において、臨床治療を開始した。同施設において、漏洩線量を測定した結果、1週間に12例、2400Gyを照射して、手術室周囲の最大検出線量は、室外のドア表面で72μシ-ベルトであった。従って、室内を放射線管理区域に設定することによって、追加遮蔽を要さないことが確認された。使用エネルギー別の測定では、4MeV電子線79Gyに対し最大44μシ-ベルト、6MeV電子線104Gyに対し最大51μシ-ベルト、9MeV電子線52Gyに対し最大52μシ-ベルト、12MeV電子線48Gyに対し最大142μシ-ベルトであった。電子線エネルギーが大きくなるに従って、漏洩線量も増加することが示された。実際の運用は以下のようなものとなる。先ず、装置の保管室から手術場へ移送する。装置を規定の場所に設置し、ケーブル類をとりつけた後、QAに関するチェックを行う。この段階で放射線治療スタッフは一旦退出し、外科スタッフが装置にプラステイックキャップとドレープで装置を覆う。外科操作が完了すると、放射線治療スタッフとともに、使用アプリケータを選択する。手術台を照射装置まで移動させる。放射線スタッフがアプリケータを照射装置にドッキングさせ、照射線量と電子線エネルギーを決定する。スタッフは保管室に入り、モニタをテレビで観察しながら、約2分の照射を行う。この後、必要に応じて、手術操作を継続する。
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