生物分類情報の広域データベース化とそのネットワークにおける利用システムの開発

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07558052
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 法政大学
• 研究代表者: 月井 雄二 法政大学, 第一教養部, 教授 (20163777)
• 研究分担者: 鵜川 義弘 農林水産省農業生物資源研究所, DNA管理情報科, 科長 (20232803) ; 木原 章 法政大学, 第一教養部, 助手 (50153169)
• キーワード: 広域データベース / 日本産アリ類 / 原生生物 / コンピュータ・ネットワーク / CD-ROM / 生物分類学 / 研究素材データベース / カラー画像データベース

研究概要

日本産アリ類カラー画像データベース
ミラーサーバを法政大学・農業生物資源研・帯広畜産大学に開設したネットワーク公開した。これに伴いサーバ間のデータ自動更新システムも開発した。また、従来は種名検索など単純な検索機能しかなかったが、ネットワーク上で稼働する本格的な検索システムとしてマトリックス検索法を開発した。また、データベースの管理を日本蟻類研究会会員自身の手へ移管するための研修・指導を開始し、現在も継続中である。
英語版が完成していないため海外には正式には公開していないが、にもかかわらずすでに国内外を問わず数多くのアクセルがある(最近では海外の方が多い)。農業生物資源研のサーバには、最近では月あたり3万件(10月)のアクセスが記録されている。現時点では他に類例がないこともあって多くの関心が寄せられ、新聞等でも紹介されている。
ネットワーク公開と平行して、データベースのCD-ROM版を1000枚余作成して一般への配布を開始した。CD-ROMはMacintosh、WINDOWS、UNIXにマルチ対応している。
原生生物データベース
アリゲ-タベースは分類学の成果をまとめた研究成果データベースだが、原生生物データベースは論文等に公表していない素データ(写真や測定結果等)を集めた研究素材データベースとして作成した。このような試みは、生物分野では遺伝情報データバンク以外には他の例をみない新しい試みである。日本原生動物学会会員の協力を得てデータの収集を行ない、インターネット公開した。現在までに4箇所(法政大学、筑波大学、石巻専修大学、東京都立大学)にミラーサーバを開設した。すでに620件余(3000ファイル)の画像データと100件余のテキストファイルをデータベース化した。
また、アリと動揺、CD-ROM版(Macintosh専用)を1000枚作成し一般に配布した(大半は配布済み)。

研究成果

• [文献書誌] Tsukii, Harumoto, Yazaki: "Evidence for a viral macronuclear endosymbiont in Paramecium caudatum." Journal of Eukaryotic Microbiology. 42. 109-115 (1995)
• [文献書誌] 月井・木原・鵜川: "インターネットを利用した生命科学情報の広域データベース化とその意義" Japanese Journal of Computer Science. 2. 5-13 (1995)
• [文献書誌] 月井雄二: "原生生物データベースの紹介とそのCD-ROM版(Macintosh用)無料配布のお知らせ" 生物教育. 35. 250-252 (1995)
• [文献書誌] Kihara, Tsukii, Ugawa: "Color Image Database of Japanese Ants" Zoological Science. 12. 36 (1995)
• [文献書誌] 鵜川義弘: "DNA情報の検索システム" 農業技術. 51. 74-77 (1996)
• [文献書誌] 鵜川義弘: "インターネットのすすめ" 化学と生物. 34. 48-53 (1996)
• [文献書誌] 木原,阿部,清: "応用マッキントッシュ4:バイオ画像処理の実際" 金原出版, 226 (1996)