研究課題/領域番号 |
07558185
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山根 義宏 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60115649)
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研究分担者 |
宇根崎 博信 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40213467)
代谷 誠治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80027474)
三澤 毅 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70219616)
瓜谷 章 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10213521)
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キーワード | 位置検出型比例計数管 / 固有値間隔 / 原子炉安定性 / 中性子束分布 / 空間高次モード / 時間相関 / 空間相関 / 臨界集合体 |
研究概要 |
本研究の目的は、位置検出型比例計数管で迅速に測定した中性子束分布から、原子炉安定性の指標である固有値間隔を推定する手法を確立し、原子炉安定性監視装置を開発することである。今年度は3年計画の最終年度で、これまでの研究結果をまとめると共に、新しい展開を試みた。 平成7年度に位置検出型比例計数管と測定系を整備し、固有値間隔を1本の検出器で推定する方法を、京都大学原子炉実験所・臨界集合体装置を用いて実験的に検討した。さらに平成8年度には複数の検出器を用いた実験を行い、径方向の影響を実験的に補正する方法を検討した。測定値を本研究で開発した計算コードによる理論値と比較し、提案した手法の妥当性を確認した。 ところが中性子束分布の測定値に存在する初期歪みの影響を除去して固有値間隔を評価するには、未臨界度をパラメータとした多数回測定の必要な事が明らかとなった。これは提案した手法を、実機へただちに応用するのは困難な事を意味し、当初目的とした本手法を固有値間隔監視装置として完成させる迄には至らなかった。 そこで平成9年度はこれまでに整備した測定系を基に、位置検出型比例計数管の陽極及び陰極からの波高信号に加えて、この信号の到来時刻を同時に記録する測定法式の開発を試みた。そして空間情報と時間情報を同時に収集できる装置を試作し、京都大学原子炉実験所・臨界集合体装置で原子炉雑音測定を行なった。その結果、時間-空間の同時測定の可能性が示された。しかし得られた測定量を解釈する理論式の整備がまだ充分に進んでいない。しかし本手法は、本研究で目指した固有値間隔監視装置として開発できる可能性を持っており、今後の発展が期待される。
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