研究分担者 |
土屋 智 静岡大学, 農学部, 助教授 (60197720)
林 拙郎 三重大学, 生産資源学部, 教授 (50024584)
田中 隆文 名古屋大学, 農学部, 助手 (40192174)
末田 達彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (90109314)
玉川 一郎 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (40273198)
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研究概要 |
近年,著しい技術発展を示しているレーザー測距計を,他の航空機搭載測器と組合わせて,精度を落とすこと無く,広域の森林計測に利用する技術開発が本研究の狙いである.日本では省力化が図れるので実用上の利点は大きいし,かつ海外での利用価値はきわめて高い.初年度の平成7年度では,航空機による森林計測の対象地域として,短距離間に異なるタイプの森林帯が出現する山岳地域を探索し,結果的に御岳山南東斜面が選定された.対象地は直線距離にして8,000m以内に斜面下部から上部へ,カラマツ人工林,ミズナラ天然林,ツガ・トウヒ林,アオモリトドマツ低木林,カンバ低木林,ハイマツ帯が分布している.1995年10月3日正午,ヘリコプターに搭載したレーザー測距計による地表高(樹冠高)とGPS(Global Positioning System)による3次元位置計測を行ない,かつ同日に同じコースをセスナ機によるMSS(Multi Spectram Scanner)計測を行なった.MSSは可視3,赤外2の合計5バンドである.Differencial(地表に設置されたGPSと航空機に搭載されたGPSとの差額)として,1秒間隔で算定された航空機の3D位置で補正されたレーザー測距計のデータは,まず地表の凹凸を数10cm間隔で計測できており,斜面下部の高樹高から亜高山の低木帯に移行する過程を波形の変動として良く示している.樹海毎の波形特性の解析は進行中であるが,ここでは.MSSデータから地表面温度どを再現した結果を述べると,森林樹冠部の低温部と舗装道路部分の高温部がよく再現されていた.本研究班では,他にもセスナ機で得られた空中写真から,ディジタル地形図を作成する作業を進めており,かつ樹冠部の凹凸に関して,樹形モデルからのアプローチを進めている,なお,今回の航空機による計測が成功したのを受けて,地表での検証データ作成と地表部での間接森林計測を意図した,森林計測調査が平成8年度に予定されている.
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