研究分担者 |
玉川 一郎 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (40273198)
檜山 哲哉 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (30283451)
土屋 智 静岡大学, 農学部, 助教授 (60197720)
林 拙郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50024584)
末田 辰彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90109314)
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研究概要 |
近年,著しい技術発展を示しているレーザー測距計を,MSS(Multi Spectral Scanner)等他の航空機搭載測器と組合わせて,精度を落とすこと無く,広域の森林計測値と地表面粗度を取得するための技術開発が本研究の狙いである。初年度の平成7年度には,航空機による森林計測の対象地域として,御嶽山東南斜面と赤沢自然林を,平成8年度には浜名湖-浜松間とした。前者の選定理由は短区間で異なる樹種が出現することであり、後者の狙いは比較的平坦でありながら、都市・耕地・林地が出現するからである。御嶽で取得したレーザー測距データは末田・福嶌によって、モデル樹形を想定しつつ、樹高森林蓄積量推定の可能性について解析が進められた。その結果、樹高推定の精度が、森林内の地表面高推定の誤差と計測ラインが必ずしも樹高頂点を通過しない誤差のために、20%程度の過小評価となった。赤沢で取得した空中写真を解析した土屋による報告では、パソコンレベルでの作業によって、樹冠密度(面積当たりの本数)は針葉樹では良好に推定可能であることが明らかとなった。但し、広葉樹では、頂部が比較的、平坦であるので、本数の判別は難しい。一方、林による樹形モデリング研究班はスギとヒノキを対象として調査を行い、それを基に樹形成長のモデリングを行った。檜山・玉川・福嶌は広域粗度分布から広域地表面パラメータ推定の手法を示し、かつMSSによる地表面温度や係留気球による大気境界層内の風速と温位プロファイル観測調査を同時期に行った結果、フラックスの寄与域を見いだした。なお、LAI(Leaf area index)の間接計測法の開発は、田中によって進められている。本研究班は科研メンバー以外にも呼びかけて、精度の高いLAI値の推定を主眼としたワークショップを開催しており、その報告も、本科研報告書に掲載予定である。これらの資料は、関係分野の研究者に有益な情報を提供することになろう。
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