昭和30年代からの、わが国の科学技術の革新による経済の高度成長、また、科学技術の著しい進歩による生産性の向上等に伴って、大量の科学技術者の養成とともに、人的能力の向上が急務とされたことから、昭和37年度に学校制度が改正され、工業高等専門学校が創立され、昭和51年度には、主として高等専門学校卒業生を受入れ、指導的技術者の養成を図る新しい構想による技術科学大学が設置された。 これらの新しい技術科学教育制度について、創設当初の目的が生かされているか否か、変遷してきているととすればどのようなことが契機となっているのか、また、その現状とともに将来の在り方について調査検討を進めている。 特に、初年度に当たる平成7年度においては、技術科学大学構想が唱えられはじめた頃から、政府予算において豊橋市及び長岡市に設置が決定された時期、大学が開学した昭和51年度までの間の技術科学についての社会情勢に関する資料を収集・分析し、また、当時直接携わった関係者からの聞き取り調査を行い、どのような社会的背景により、また、どのような具体的手法により実現したか、さらに現在それがどのように生かされているか、または変遷してきているかについて調査分析を行った。
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