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1996 年度 実績報告書

アメリカ合衆国における女子大の存続危機とその将来計画策定に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610279
研究機関創価大学

研究代表者

坂本 辰朗  創価大学, 教育学部, 教授 (60153912)

キーワード女子大学 / アメリカ合衆国 / 大学史 / 比較教育 / ジェンダー / 大学論
研究概要

アメリカ合衆国の女子大学の1960年代以降の長期的な存続危機の要因は、おおむね以下の3点に要約されうる。
(1)18歳女性(とりわけ女子大学の有力な顧客である白人、中・上流家庭出身者)の減少という人口動態的要因。
(2)女子大学卒業者は、キャリア獲得、社会生活への順応という両面で、女子大学の教育を高く評価し極めて高い満足度を示すものの、志望者および親たちの女子大学の教育へのネガティブなイメージが定着していること。
(3)過去30年間におけるアメリカ合衆国全体で進んだ教育へのアクセスと平等を目指す運動の影響。1982年、ミシシッピ-州立女子大学看護学部への男性志願者の入学拒否を違憲とした最高裁判決、95、96年に相次いだ二つの州立陸軍士官学校の女性入学拒否への違憲判決は、ジェンダーによる区別への一般的忌避の象徴であった。
これらに対して、1980年代以降、女子大の存続意義を強調する新しい運動と存続危機の回避のための将来計画策定が女子大学関係者や女性大学連合(Woman's College Coalition,Washington,D.C.)によって続けられており、90年代になって一定の成果をあげつつある。それらは以下のとおりである。
(1)女性学研究に裏付けられた女子大学出身者の高い業績や指導力の確認、"男性的"分野への進出の強調
(2)高等教育以前の諸学校に在籍する若い女性に対する理数系分野への意識覚醒を目指した全米的な啓蒙活動
(3)顧客層の特定のためのマーケティング戦略(どのような層に対して「建学の精神」をアピールするのか)
(4)共学/他の女子大学との連携・協定(Consortium,Council)による資源の共有とネットワークづくり
(5)"実践的"リベラル・アーツ教育、成人女性を取り込む"Weekend College"などのカリキュラム改革
(6)大学基本財産の拡大のためのキャンペーン

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] SAKAMOTO,Tatsuro: "Gender in the History of American Higher Education" 創価大学『教育学部論集』. 40号. 39-46 (1996)

  • [文献書誌] 坂本辰朗: "アメリカ合衆国における女性の大学" 創価大学『教育学部論集』. 41号. 21-42 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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