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1997 年度 研究成果報告書概要

日本中世の村落及び村法に関する史料の蒐集と研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610328
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 日本史
研究機関東京学芸大学

研究代表者

佐藤 和彦  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80013275)

研究期間 (年度) 1995 – 1997
キーワード権利意識 / 規模意識 / 村落 / 村落共同体 / 生活 / 生産 / 有力農民 / 弱小農民
研究概要

本研究は中世民衆の権利意識と規範意識とを統一的に検討をすることによって,民衆の法思想を解明しようとするものであった。
山城国伏見荘や近江国大島奥津島荘,さらには,薩摩国日置荘などの村落を調査し,村落住民の動向がどのような村法を生みだすのかを追求した。
たとえば,延暦寺領近江国奥島荘の村落生活は,1260年代には15人の有力農民によって指導されていたが,1290年代になると58人の農民が結東するようになる。この過程において,「悪口の輩においては御荘内を追却せらるべし。かねてまた妻女子息といい,村を千万悪口いたさば,小屋もまた払焼くべきものなり」という有名な惣掟(村法)が作成されたのである。惣掟の厳しさはいったい何を物語るのか。農民諸階層が村落共同体と深くかかわることによってのみかろうじて自己の生活と生産とを維持することが出来た当該段階において,惣結合(共同体)からの追放は,浮浪→没落→死を意味していたことは明らかである。
惣掟の厳罰主義は,惣の団結の強さの表現であると同時に,弱小農民をかかえこむことによって,拡大する組織内の矛盾にいかに対処するかといった苦悩の表白でもあったといえよう。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 佐藤 和彦: "南北朝内乱と地下の思想" 中世文学. 42. 3-10 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 佐藤 和彦: "中世荘園における領主支配と荘民生活" 民衆史研究会編『民衆史研究の視点』. 190-207 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 佐藤 和彦: "三条西実隆の時代" 歴史と旅. 376. 192-199 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 佐藤 和彦 編: "中世の民衆" 東京堂, 213 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 佐藤 和彦 編: "租税" 東京堂, 262 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Kazuhiko Sato: "The civilwar of nanbokucho era and the thought of people." the medieval litereture. 42V. 3-10 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kazuhiko Sato: "The lord of manor and life of villagers in Japan during the midolle ages." The point of view for people his tory. 1V.190-207 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kazuhiko Sato: "The period of Sanetaka Sanjo nishi." History and travel. 376V.192-199 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Edited by K,Sato: The people in Japan during the middle ages.The publisher Tokyodo, 213 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Edited by K,Sato: Taxation. The publisher Tokyodo, 417 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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