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1995 年度 実績報告書

情報の多様化と経済構成員の意思決定および市場成果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07630005
研究種目

一般研究(C)

研究機関一橋大学

研究代表者

山崎 昭  一橋大学, 経済学部, 教授 (70143716)

キーワード情報の多様性 / 情報構造 / バブル / 共通認識 / クロスボーダー取引
研究概要

研究内容に関し方法論的には,企業セクターの資金市場を組い込んだミクロ経済モデルによって経済システムを描写し,市場経済の取引・決済機構の情報化社会における機能を,経済構成員のプライベートな情報構造の多様性と,市場における経済活動により学習した内生的情報構造が市場メカニズムに与える影響について次の3つの視点から分析を進めている.
第1は,市場における情報の多様化と個々の経済構成員の予想形成ならびに意思決定の問題,第2は,情報の多様化と金融・証券市場における価格変動の問題,第3は,内生的不確実性と市場の効率性の問題である.
研究初年度では,われわれが設定した研究の3つの視点からの分析のうち,第1の市場における情報の多様化と個々の経済構成員の予想形成ならびに意思決定の問題,および第2の情報の多様化と金融・証券市場における価格変動の問題に関し,予備的研究成果を論文としてワーキング・ペ-パ-の形にまとめ,内外の研究者の間にサ-キュレートした.この論文で得られた結果を要約すると,「市場における取引主体が私的情報を有している場合,金融・証券市場における資産の価格について,それが将来もたらすペイオフの現在割引価値を市場価格が上回っていることをすべての取引主体が認識している,という意味でのバブルが発生する状況は存在しえるが,そのような状況においては,資産価格がバブルを含んでいることをすべての取引主体が認識していることをすべての取引主体が認識することは有り得ない」ということである.換言すれば,資産価格がバルブを含んでいることは「共通認識」され得ないということである.この結果は,8月に東京で開催されたEconometric Societyの世界大会で発表し,さらにその後京都で開かれた経済理論の国際研究集会の折りに,この問題に興味を持つS.MorrisやB.Allen等の米国からの研究者らと研究討議を行った.
さらに上述の世界会議および京都での国際研究集会では,フランスのJean Tiroleおよび米国のEdward Greenと,最近10年間のクロスボーダー経済取引の飛躍的拡大と情報通信技術の革新が経済システムの安定性にどのような影響を及ぼすのか,また,システムの安定性の確保をどのように保障するかという問題について,共通の問題意識を持っていることを確認し,平成8年度に向けてそれぞれが研究を深めることとした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山崎 昭: "情報とバブル" 単行本『情報社会の経済理論』鬼木他編富士通ブックス1996年. (予定)

  • [文献書誌] Akira YAMAZAKI: "Multilateral Netting Schemes of Payment Systems" Working Paper, Hitotsubashi University. 1-15 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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