研究概要 |
昨年度に収集したEMG実験データとビデオ画像データからラットの二足起立を始めとするpositional behaviorと筋活動の関係を定性的に分析した。さらに、バイペダルトレーニングを施したラットと施していない対照群のラットの固有背筋について、ATPase染色及びSDH染色を施し、筋線維の数、太さ、組成について比較を行った。これまでに得られた結果は下記のとおりである。1)下肢の15筋のうちラットの二足起立行動に伴ってとくに活動の認められた筋は、大腿二頭筋、浅殿筋、大腿筋膜張筋、中殿筋、半腱様筋、及び内転筋群であった。各筋は下肢の股関節、膝関節、距腿関節が限界近くまで伸展されて充分な二足立位姿勢に達したとき、大きな活動を示した。さらに殆どの筋でレバ-押し行動に対応して筋活動が強まった。2)固有背筋の活動はTh8、Th10,L3、L5のいずれのレベルにおいても二足姿勢において強く、蹲踞、四足位では弱い、二足位の中では二足立位、同レバ-押し時において、中腰より活動が強い。また胸部に比べ腰部の方が活動が強く、両部位では活動の増減が必ずしも一致していなかった。3)国有背筋には筋内部位で特徴的な筋線維タイプの分布がみられ内側の横突棘筋(TS)では深部ほどSO、FoG線維が多くFG線維が少いのに対し、対側の最長筋内側部(ML)では部位の浅深による差はみられない。運動群では対照群に比べTSの深部でFoG線維が多く、MLではSO,FoG線維が太く、FoG線維の面積が大きかった。
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