研究課題/領域番号 |
07660031
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
糸賀 黎 信州大学, 農学部, 教授 (40114037)
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研究分担者 |
馬場 多久男 信州大学, 農学部, 講師 (60021086)
佐々木 邦博 信州大学, 農学部, 助教授 (10178642)
伊藤 精唔 信州大学, 農学部, 教授 (50021085)
菅原 聡 信州大学, 農学部, 教授 (80021046)
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キーワード | 国立公園 / 林道建設の環境変容 / 亜高山植生 / ギャップ更新 / レッドデータブック記載貴重植物 / 森林資源の多元的利用 / 地理情報システム |
研究概要 |
1.南アルプス林道沿線地域の自然環境、特に貴重植物、亜高山植生、地形等とそれらにより構成される国立公園の自然景観について現地調査を行うとともに、地元長谷村役場で関係者に対するヒアリングを実施した。 2.南アルプス林道沿線地域の関する植生、地形、災害、景観等の自然環境情報及び国立公園利用状況等の収集整理を行い、次年度解析に必要な自然環境情報を地理情報システム「Map Grafic」を用いて行う予定の地図情報等のデータベース構築の準備を行った。 3.南アルプス林道が建設されている仙丈ヶ岳平右衛門谷を研究対象として、地形、植物群落分布、林間ギャップ-土石流-斜面崩壊-大面積一斉破壊等の植生変化、ギャップ更新状況等の現況を調べ、特に林道建設地沿線に林道建設による植生破壊が著しいことが明らかになった。 4.南アルプス戸台川流域においてレッドデータブック記載種のシナノコザクラ、トダイアカバナ、トダイハハコについて生息環境の研究を行った。戸台川流域の3種の絶滅危惧植物は、水分条件、地質条件に大きく影響を受けており、これらの変化が生息環境に変化を及ぼすと考えられる。また人為的な絶滅の原因として、自然状態の岸壁の改修、ダム建設、園芸採取が考えられる。しかし南アルプス林道建設により石灰岩が露出した一部の地域ではシナノコザクラの復元が観察された。 5.森林資源の多元的利用について、長谷村を対象に、1970年、1980年、1990年代の3時期を選び、森林・林業の状況を研究し、森林の価値、森林資源の多元的利用、多様な森林造りについて考察した。
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