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1995 年度 実績報告書

肝細胞癌におけるVEGFとそのリセプターの発現についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670627
研究種目

一般研究(C)

研究機関金沢医科大学

研究代表者

川原 弘  金沢医科大学, 医学部, 講師 (10177727)

研究分担者 澤田 信  金沢医科大学, 医学部, 助手 (50170824)
キーワードVEGF / 肝細胞癌 / 血管新生 / Hypoxia
研究概要

1.培養肝癌細胞(HuH-7)からtotal RNAを抽出し、oligo dT-cellulose columnによってpoly(A)tailを有するmRNAを精製した。さらに、逆転写酵素によりcDNAを作成し、既報のVEGFの塩基配列に基づいて設定した数種のprimerを用いてPCRによるcDNA断片の増幅を行った。この増幅産物のpolyacrylamide gel電気泳動をethidium bromideで染色し、目的のcDNA断片が増幅されたか否かを判定した。VEGFのmRNAの全長を増幅するように設定されたprimerセット(Exon 1の5′primerとExon 8の3′primer)によりPCR産物を電気泳動すると、3本のバンドが検出され、このうちの2本は470bpと360bpに明瞭なバンドとして、また、残りの1本は650bpに淡いバンドとして認められた。次に、これらのPCR産物がVEGFに特異的か否かを検討するために、3本のバンドをgelから切り出して精製し、Exon 3からExon 4あるいはExon 3からExon 5の部位を増幅するinternalprimerセットを用いてPCRで増幅すると、それぞれ理論的に予想される断片の長さのバンドが検出された。VEGFにはsplicingの違いによって4種類の長さの異なるmRNAの発現が知られているが、培養HuH-7肝癌細胞を用いた検討では3種類のVEGF-mRNAが発現していることが明らかとなった。
2.培養細胞をhypoxiaにさらして、VEGFの産生を促進させた。培養肝癌細胞でのVEGF蛋白の発現を検討するために、cobaltchloride(100μM)で培養細胞を処理して、培養液100mlからCM-Sephadex C-50 cation-exchange resinを用いたカラムクロマトグラフィーで分離される蛋白をSDS-PAGEで分離した後、抗VEGF抗体を用いたWestern blotによってVEGFの同定を行った。しかし、VEGFの明瞭なバンドは検出されなかった。VEGF産生を刺激すると考えられる培養条件下においても、培養肝癌細胞でのVEGF蛋白の発現を確認できなかった。この原因として、培養HuH-7肝癌細胞ではVEGF蛋白の発現がきわめて少ないこと、およびVEGF蛋白が培養細胞から放出された後、細胞表面の蛋白分子と結合するため培養液中にはほとんど存在していないことなどによっていると推定された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kawahara H.: "Messenger RNA expression of vascular endothelial growth factor(VEGF)in human hepatoma-derivred cell line(abstract)" Int Hepatol Commun. 3(Suppl. ). S149 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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