研究概要 |
基礎実験としてin vitroの実験系でICR系マウス肺を摘出しリン酸緩衝液下に粉砕化撹拌した溶液に対し放射線照射20Gyを行った.またVit E,CoQ10を投与したマウス肺を同様に処理を行い放射線非照射のマウス肺をコントロールとしてガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(GC/MS)を用いて脂質の組成変化を調べた.照射による脂質の全般的な減少とVit E,CoQ10による抑制を認め放射線肺炎の機序とその防止に対する示唆が得られた.これは平成7年4月名古屋における日本医学放射線学会総会で発表した. 平成7年8月まで震災により動物実験施設が閉鎖されていた為実験の再会は10月にずれ込んでしまいかつ当初予定していた公衆衛生学教室のGC/MSも震災による故障により安定性に欠けた為一部試料は外部に解析を依頼した. 続いてin vivoでの実験系に移して放射線感受性の高いとされるC57BL/6Jマウスを麻酔下に全肺照射20Gyを行い直ちに肺摘出してGC/MSにて脂質組成を分析した.今回もCoQ10とVit Eを投与してその抑制を調べた.また24時間後の変化も同様にGC/MSにて分析した.その結果は照射による変化はin vitroの系ほど明瞭ではなかったが軽度の脂質の減少とCoQ10とVit Eによる抑制が認められた.だが病理的な変化は直後と24時間後ともにコントロールとCoQ10及びVit E投与群に明らかな差は認められなかった.この結果は平成7年11月の日本放射線腫瘍学会総会にて発表した.
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