研究概要 |
平成8年度は前年度に作成したエコープラナー型撮像法(echo planar imaging,EPI)による拡散強調型撮像パルス系列を用い、人間脳を対象に白質線維の描出能を検討した。撮像装置は1.5テスラ超伝導型撮像装置を使用した。前年度に比べ撮像用磁場勾配を25mT/mまで印加することが可能となり、これに応じて拡散強調による白質線維のコントラストや、空間分解能の面で画質の向上を得ることができた。しかし、拡散強調用の磁場勾配の印加や、EPI法自体に内在する、撮像空間内での磁場の不均一性に由来する画像の歪みを避けることができず、最終目標である、拡散のテンソル成分から白質線維の広がりをベクトル表示するためには、まだ解決すべき問題が残った。このような画像データについての精度上の問題点は前年度の報告でも指摘した点であるが、現在使用している拡散強調型撮像法について、使用撮像装置自体の性能も考慮しながら、さらに改良を加える必要があるものと考える。
|