研究概要 |
肝切除後の肝再生は、肝切除後の残存腫瘍増殖、転移出現等臨床面で重要な研究領域である。肝部分切除後の腫瘍抑制効果とサイトカインに着目し検討した。 [方法及び材料] A/Jマウス7週齢雌性マウス及びマウス神経芽腫C-1300腫瘍をin vivo,in vitro双方で用いた。腫瘍細胞静注移植後5日目に30%肝切除を施行し、手術後14日目に肝転移コロニー数を肉眼的に測定した。同時に肝切除後の肝の還流液をin vitro培養液に添加しMTT assayを施行した。更に各種サイトカインによる抗腫瘍効果を検討するために、肝再生期に放出されるHGF,TGFα,TGFβ,EGFをin vitro培養液に添加し、MTT assayを施行した。 [結果] 肝切除による抗腫瘍効果はsham群肝コロニー数平均31個に比し、肝切除群6.3個と抑制効果を示した。(p<0.01)又肝還流液による抑制効果が認められた。:HGFは暴露時間5日間で10ng/mlの濃度までdose dependentに抑制効果が観察された。TGFαでは変化なく、TGFβでは10ng/ml以上の濃度で抑制効果が観察された。EGFでは腫瘍増殖効果が観察された。
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