研究課題/領域番号 |
07671830
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
中井 章人 日本医科大学, 医学部, 助手 (20227721)
|
研究分担者 |
山口 稔 日本医科大学, 医学部, 助手 (50256971)
朝倉 啓文 日本医科大学, 医学部, 助教授 (30167879)
越野 立夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (80089747)
|
キーワード | 胎児 / 母体運動 / 胎児心機能 / 循環動態 / 超音波断層法 / VAST |
研究概要 |
産科的に異常のない妊娠32週から36週のボランティア妊婦20例を対象に、自転車ergometerによる運動負荷ならびにVibrotory acoustic stimulation test(VAST)を行い、胎児循環変化を検討した。なお、運動強度は40%から70%VO_2 maxまで各段階毎に検討し、胎児循環動態の指標には臍帯動脈、胎児中大脳動脈、胎児下行動脈、胎児外腸骨動脈の血流速度波形の測定より算出したresistance index(RI)、胎児心拍数(FHR)ならびにB-modeによる胎児心機能計測から、ejection time(ET)、filling time(FT)、stroke volume(SV)、cardiac output(CO)を算出し使用した。 (1)運動負荷、VASTによりFHRは約15bpm増加し、ETは変動せず、FTは有意に短縮した(p<0.05)。 (2)VASTではFTの短縮により左室で拡張末期心室径、ならびにSVが低下したが(p<0.05)、運動負荷ではFT短縮にもかかわらず、拡張末期心室径は不変で、両心室ともSVは増加傾向を示した。 (3)COは運動負荷により約150ml/min増加したが(p<0.05)、VAST前後では有意な変化を認めなかった。また、50%VO_2 max未満の運動負荷ではCOに有意な変化を認めなかった。 (4)母体運動強度とCO増加率には正の相関を認め、運動中増加したCOと中大脳動脈RIには正、外腸骨動脈RIには負の相関が認められた(p<0.05)。 VAST後の胎児ではFHR増加に対しSVが減少し、COが一定に保たれた。一方、運動負荷ではSVが変動せず、FHR増加に伴いCOが増加し、運動負荷により胎児心臓が陽性の変力作用を受けることが推察された。また、40%から70%VO_2 maxの運動負荷では、増加した胎児心拍出量に対し、胎児末梢循環では血流量が増加し、脳循環では血管抵抗が亢進することから、auto regulationの作動が示唆された。
|