本年度は、科学研究モード論に基いて、科学技術論争の分析の道具立てを明らかにする作業を行った。アカデミズム科学の研究スタイルであるモード1に対して、近年それと違ったスタイルモード2のタイプのあることに注目が集まっている。科学技術論争についてもモード1型のものの内部における論争の場合には、パラダイムに基く紀書が容易であるが、モード2型のものの場合にはそうはいかない。 具体的なケースとして、デュエムとデカルトについての研究者の論争の構図を明らかにする作業を行い。特にデカルトの場合、自然子研究よりこの二つの伝統にそった型の研究史がモード1的に成立しており、この両方にまたがる問題を解決するのが困難であることが示された。現代日本における論争についても、いくつかの素材を集めて検討し、次年度にさらにたち入って検討することとした。
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