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1996 年度 実績報告書

明暗の変化に適応するエッジ検出空間フィルタ特性

研究課題

研究課題/領域番号 07680439
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東邦大学

研究代表者

海野 修  東邦大学, 理学部, 助教授 (70119907)

研究分担者 橋本 葉子  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075218)
キーワード網膜 / エッジ検出 / 双極細胞 / 水平細胞 / 受容野 / 空間フィルタ特性
研究概要

エッジ検出神経細胞(網膜双極細胞)の空間フィルタは中心野およびそれに拮抗する周辺野から構成される。本年は、各々の受容野に関して下記の2点の研究を遂行した。
1.中心野:隣接する双極細胞は樹状突起および軸策終末でギャップ結合を介して電気的に結合している。導電性の中心野への影響を調べるため、形態に基づいたコンパートメントモデルをつくり、計算機シミュレーション実験を行った。モデルでは1個の双極細胞が5個の視細胞から入力を受ける。これを1個のユニットとし、総計25個のユニットを構成する。隣接する双極細胞を樹状突起、軸策終末それぞれで電気的に結合する。応答を細胞体で記録し、樹状突起での導電性を上げていくと受容野は拡大するが、ある値以上になると導電性を上げても拡大は飽和した。細胞体間に仮想的な電気的結合を形成した場合、電気的結合の導電性が上昇すると、受容野もそれに応じて拡大し、飽和は見られなかった。一方、軸策終末の導電性を変化させても、受容野はほとんど変化しない。これは、軸策終末から細胞体までが離れていることによる。ただし、軸索終末で応答を記録すると、軸索終末間での導電性の変化は受容野特性に影響する。したがって、軸策終末間の電気的結合は、双極細胞が応答を出力する際に影響すると言える。
2.周辺野:双極細胞の周辺野は水平細胞で形成される。水平細胞には明所視に関与する錐体系および暗所視に関与する杆体系がある。それぞれで、受容野の動的な振る舞いを調べ、以下の結果を得た。(1)錐体系、杆体系水平細胞双方で、時空間受容野特性は時間の推移とともに縮小する。(2)錐体系水平細胞の受容野の縮小は、水平細胞から錐体への負帰還作用によって生じる。(3)杆体系水平細胞での受容野の縮小は、杆体レベルでの高域通過型フィルタ特性を反映している。(4)受容野縮小の機能として、動きのある物体を見たときの抑制が考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 海野修、牛尾友美: "網膜錐体系水平細胞細胞の時空間フィルタ特性-動きパターンの残像抑制-" 電子情報通信学会. MBE96-116. 119-124 (1997)

  • [文献書誌] 海野修、牛尾友美: "網膜杆体系水平細胞の時空間フィルタ特性" 電子情報通信学会. MBE96-117. 125-132 (1997)

  • [文献書誌] Umino O.,Ushio T.and Hashimoto Y.: "The Receptive Field Properties of On-Center Bipolar Cell Responses in the Carp Retina." Investigative Ophthalmology and Visual Science. 37. s1054 (1996)

  • [文献書誌] Ushio T.and Umino O.: "The involvement of the Horizontal Cell's Feedback Action to Cones in the Receptive Field Properties of Horizontal Cells." Investigative Ophthalmology and Visual Science. 37. s1054 (1996)

  • [文献書誌] Umino O.,Maehara M.and Hashimoto Y.: "Morphological and Electrophysiological Studies of Horizontal Cells in the Black Bass Retina." Jouranl of Tokyo Women's Medical College. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Umino O.: "A Light Stimulator Composed of a Cathode-Ray Tube Monitor and its Use in Intracellular Recording from Retinal Neurons" Jouranl of Tokyo Women's Medical College. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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