ヒト胎盤より精製したインテグリンα_5β_1(50μq)をアジュバントと共にBALB/cマウスの腹腔内に2週間おきに注射して抗体を作らせた。そのマウスの脾臓から採取したリンパ球とP3U1ミエローマ細胞とをポリエチレングリコールを用いて融合させ、HAT培地で選抜しハイブリドーマを作成した。 1次スクリーニングとして精製インテグリンα_5β_1に結合する抗体を多量に産成しているハイブリドーマを選び、最終的に16種類のシングルクローンを得た。 2次スクリーニングでは、ホルボスエステル処理でインテグリンを活性化状態にしたK562赤白血病細胞(インテグリンα_5β_1をメインに持ち、ホルボルエステル処理でフィブロネクチンヘ接着活性が2倍以上上昇する)への結合量が上昇する抗体を探したところ、結合量が20%上昇した抗体を得られた。以下に、得られた抗体の性質を記述する。 1.β_1サブユニットに対する抗体は6種類、α5サブユニットに対する抗体は10種類得られた。 2.β_1サブユニットに対する抗体で細胞接着を阻害するものが4種類存在した。 3.α_5サブユニットに対する抗体で細胞接着を阻害するものが5種類存在した。 4.免疫沈降実験でα_5β_1を解離させα_5サブユニットのみを沈降する抗体が3種類存在した。 5.ウエスタンブロット解析に用いることのできる抗体は、β1サブユニットに対する抗体1種類のみであった。
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