研究概要 |
正常BALB/cマウス(8周齢)に50μgの組み換え(r)Nucを腹腔内投与(ip)すると15時間後に胸腺に著明なアポトーシスを惹起する。5μgのrNucを週二回継続ipすると全身性の自己免疫が誘導される。しかし大腸菌由来の組み換え蛋白質であるため微量混在しているエンドトキシン(ET)の作用を否定できない。そこでETを含むポポリサッカライド(LPS)用いる対照実験を行った。その結果LPSでは自己免疫が惹起できないこと、50μgのrNucip後の胸腺細胞抽出液には二次元電気泳動(2D)解析で等電点(pI)5.5-7で20-30Kdの新しいスポットが検出されたがLPSでは検出されなかったことから、Nuc自身に自己免疫誘導作用のあることが証明された。正常の胸腺細胞抽出液には見られない新規物質の解明が今後の課題である。rNuc継続ipで自己免疫が誘導されたマウス脾臓T細胞を分離、rNucとrIL-2の存在下で培養し、T4,T6の二株を樹立した。いずれもCD4+でrNuc特異的で、その増殖は抗I-Adで有意に抑制され、MHC拘束性が認められた。
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