研究課題/領域番号 |
07807164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
中田 幸之介 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70081734)
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研究分担者 |
脇坂 宗親 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30267596)
小泉 宏隆 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10215155)
高桑 俊文 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90121201)
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キーワード | 神経芽腫 / アポトーシス |
研究概要 |
神経芽腫のうち、マス・スクリーニング(MaS)発見例や1歳未満乳児例の予後は、一般に良好である。予後良好因子には腫瘍細胞の分化成熟と、自然退縮が関与すると仮定した。これを解明するため、免疫組織学的手法を用いて腫瘍の細胞分化に関連した特性を検索した。 対象および方法 1.対象 神経芽腫98例(111検体)を対象とした。乳児群72例(うちMaS例;63例)と1歳以上群26例の2群に分けて検討した。死亡例は乳児群になく、1歳以上群では16例であった。 2.方法 腫瘍細胞の分化成熟を示す抗体を用いた免疫染色法及び、アポトーシスの検索にはIn situ End-Labelling(ISEL)法を用いて両群間の細胞特性を比較した。有意差検定は_x2検定あるいはFisher検定を行い、危険率5%以下を有意とした。免疫染色に使用した抗体は、S-100蛋白、Vasoactive Intestinal Polypeptide(VIP)、Microtubule-Associated Protein 2(MAP-2)、Neural Cell Adhesion Molecule(NCAM)に対するものを用いた。 結果 S-100蛋白、MAP-2及びNCAMの陽性率は乳児群腫瘍で有意に高かった(p=0.01、p=0.0002、p=0.03)。VIPの陽性率は両群間で有意差は認めなかった。1歳以上群におけるS-100蛋白とMAP-2陰性例の予後は陽性例に比べ有意に不良であった(p=0.003、p=0.0002)。また、乳児群にもMAP-2陰性例が9例(12.5%)存在した。ISEL法陽性細胞の発現率は両群間で有意差を認めなかった。今回の結果からはアポトーシスと予後を関連づけることはできなかった。 今後培養細胞、抗Fasモノクローナル抗体等を用い、更にアポトーシス発現とその意義につき検討を進める予定である。
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