研究概要 |
2008年度(半年の産休を含む)の研究では、制御者付き量子テレポーテーションとデコヒーレンスモデルに注力しか。前者の研究では、まずW状態を使用した際の制御者付き量子テレポーテーションの解析と成功確率の計算を行った[Rahimi et al.In QCMC2008]。次にqubitだけを使用した多数決による制御方法を考案した[Rahimi et al.in AQIS 2008]。さらに、より一般の(k,m)-閾制御付き量子テレポーテーションについて、qubitと古典鍵の配分によるプロトコルを考案した[SaiToh et al.submitted to Phys.Rev.A]。後者の研究は、ENDORやNMRでの実験的デコヒーレンス制御を念頭に、理論解析と数値計算によって実施している[Rahimi et al.,1st Int.Conf.QEC]。主に、NMRふ野でよく知られている、motional narrowing現象とスピンの緩和現象を統一的に記述できるモデルとして、確率的に熱浴と交換する環境系と結合したスピン系のモデルを提唱してきた。その中で、解析的に解ける場合と小規模な数値計算で時間発展が追える場合を選んで教育論文としてまとめた[Rahimi et al.Iran Phys.J.In press]。なお、以上の他の題材として、ニンタングルメント以外の量子相関や量子ゲームなどの研究にも取り組んだ。
|