• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

炎症局所へのT細胞動員におけるE-セレクチンリガンドの同定とその生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07J06209
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 真典  大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワードCD43 / E-セレクチン / PSGL-1 / T細胞
研究概要

E-セレクチンは炎症時に血管内皮細胞に発現が誘導され、活性化T細胞の炎症局所への浸潤を媒介する。最近、私たちは活性化T細胞上のPSGL-1やCD43が炎症皮膚へのE-セレクチン依存的なT細胞浸潤を媒介することを明らかにした。しかし、これまでにCD43は細胞外領域が長く、また多数のシアル酸を有するシアロムチンであるために、T細胞の細胞間接着を阻害する分子として報告されている。PSGL-1もまたT細胞上に発現するシアロムチンであることから、T細胞上のPSGL-1が細胞間接着を阻害する分子として機能することが考えられる。そこで、PSGL-1,CD43の一方あるいは両者を欠損するマウスからT細胞を単離してhombtypicな細胞間接着を検討したところ、PSGL-1およびCD43を欠損するT細胞は細胞間接着が亢進した。また、レトロウイルスを用いて、PSGL-1およびCD43の細胞外ドメインのみ、あるいは細胞内ドメインのみを両分子を欠損するT細胞に発現させて、細胞間接着に関わるドメインを検討した。その結果、PSGL-1およびCD43の細胞外ドメインは細胞間接着を抑制することが明らかとなった。以上の結果から、PSGL-1やCD43はT細胞の細胞間接着を負に制御するが、T細胞が抗原刺激を受けて活性化されてE-セレクチンリガンドとしての機能を獲得すると細胞間接着を正に制御すると考えられた。このようにPSGL-1やCD43のようなE-セレクチンリガンドは見かけ上相反する機能を有しており、T細胞の免疫反応の制御に重要な役割を果たしているものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CD43 plays both antiadhesive and proadhesive roles in neutrophil rolling in a context-dependent manner2008

    • 著者名/発表者名
      Masanori Matsumoto
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 181

      ページ: 3628-3635

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An L-selectin ligand distinct from P-selectin glycoprotein ligand-1 is expressed on endothelial cells and promotes neutrophil rolling in inflammation2008

    • 著者名/発表者名
      Akiko Shigeta
    • 雑誌名

      Blood 112

      ページ: 4915-4923

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2008

    • 著者名/発表者名
      松本真典
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科(科学評論社)

      ページ: 437-442

  • [学会発表] PSGL-1は生体内においてT細胞の免疫反応を負に制御する2008

    • 著者名/発表者名
      松本真典
    • 学会等名
      日本免疫学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2008-12-01

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi