研究概要 |
磁気ヘッド素子の試作・評価・解析法の開発の一部(素子化・評価)と自己組織化材料・プロセスの研究とを行った。自己組織化によって形成される導電チャネルを含む1nm級の極薄酸化物の形成メカニズムについて調査を行った。そこで得られた酸化物の形成過程(Al原子の表面への移動、酸化物の形成・凝集)、酸化物の構造と磁性などの結果をもとに、ナノ狭窄構造体となる導電チャネルを含む1nm級の極薄酸化物層を作製し、コンタクトモード(電流モード)の原子間力顕微鏡(c-AFM)のその場観察を行った。導電チャネルの抵抗計測を可能とするために、計測回路(電子回路)上の各回路パラメータ(LCR値等)のシミュレーション検討を行い、最適化を行った。また、実際の回路においても過渡応答や高周波応答も本計測法において有効であることを確認した.これらの抵抗計測の直接計測のために必要な高導電性かつ鋭敏なプローブ(プローブ先端径はおよそ10nm前後の径をもち,プローブ顕微鏡の分解能に比例する)の最適化のために、種々のプローブの試験を行った。材料としては、文献調査の結果、Ptもしくは、PtIrのPt系金属のコートプローブかダイアモンドに不純物ドープを施した導電性コートを施したプローブが優れていることが分かった。実際に、PtIrコートのプローブとダイアモンドコートのプローブにおいても、1nm級の導電チャネルのAFM観察に成功した。
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