研究課題/領域番号 |
08041027
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
佐々木 宏幹 駒澤大学, 文学部, 教授 (30052426)
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研究分担者 |
佐々木 伸一 甲子園大学, 人間文化学部, 助教授 (30175377)
小松 和彦 国際日本文化研究センター, 教授 (90111781)
渡辺 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90103209)
山路 勝彦 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30090731)
崔 吉城 広島大学, 総合科学部, 教授 (80236794)
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キーワード | 東アジア / シャーマニズム / 漢族 / チワン族 / 童乱 / 巫堂 / 風水 / 他界観 |
研究概要 |
本研究では、中国、台湾、モンゴルおよび韓国において、以下のような調査を実施し、本研究の目的と方法に沿った成果を挙げることができた。渡辺と葉、何は中国各地とりわけ福建・浙江省の道教儀礼とシャーマニズムの関係について調査、山路は台湾先住民シラヤの憑依儀礼を漢族との比較において調査、安田、佐藤は韓国各地とくに珍島のムーダン、クッ堂について調査、小松、浮葉は韓国光州・釜山において、ムーダン、ポサル、クッ堂の調査、手塚、呉は中国広西壮族の憑依儀礼と民俗慣行について調査、色音は中国内蒙古哲里木盟、フフホトなどの憑依現象と治療儀礼を調査、崔はモンゴルおよび中国東北部延吉、長春などにおいてシャーマニズムの古型を探求、佐々木宏、佐々木伸、潘は中国上海近郊、常州、厦門において漢族の憑依儀礼に関して調査した。また、佐々木宏、佐藤は台湾台中で童乱の、佐々木伸は台北、高雄、澎湖島で扶鸞、通霊などの調査を行なった。 11月22日および23日には渡辺、葉、色音、呉を除く全員が駒沢大学に集合して各自の調査・研究の成果について映像を使いながら発表し、活発な討議を行ない、ペ-パ-を交換した。 平成9年度の調査研究結果を総括すると、大要以下のとおりである。(1)各地域のシャーマニズムの特徴、たとえば呼称の差異、入巫儀礼、社会的役割などにおける差異が明らかになってきた。(2)中国シャーマニズムのうち、どの地域とどの地域が文化系統的に関連するかが実証的に見通せるようなった。(3)漢民族のシャーマンと儀礼について、中国大陸についておそらく戦後はじめてその実態に迫り、記録しえた。(4)トランスの内容や憑依の形態に関して、従来のセオリーを修正もしくは再解釈を可能にするような現象に出会った。(5)東南アジア諸華人社会のシャーマニズムとの関連に関する比較の視座をより磨きあげることができた。
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