研究分担者 |
山田 礼子 プール学院大学, 国際文化学部, 助教授 (90288986)
齋藤 安俊 学位授与機構, 審査研究部, 教授 (40005236)
江原 武一 京都大学, 教育学部, 教授 (00012568)
森 利枝 学位授与機構, 審査研究部, 助手 (00271578)
橋本 鉱市 学位授与機構, 審査研究部, 助教授 (40260509)
|
研究概要 |
本研究は,英米における単位累積加算制度に基づき在学要件を課さずに学位を授与する学外学位プログラムの発展要因と将来展望を明かにすることを目的とした事例研究である。事例としては主として米国リージェント大学,トーマス・エジソン州立大学,チャーター・オーク州立大学及び英国ロンドン大学学外プログラムを取り扱った。この研究は,同時に我が国の学位授与機構における学位授与の制度整備に資することをも目的としている。 これら学外学位プログラムの発展要因としては,当該学外学位授与大学のみならずそれ以外の大学でも遠隔教育による単位付与,経験学習の単位化,企業等大学以外の機関における学修の単位化,あるいは米国における共通試験を通じた知識の単位化など,高等教育全体がこの種のプログラムの理念と実施を支える仕掛けとしてのオルタナティブな学修と評価の機会を用意していることが指摘される。 また、これらプログラムの将来展望については,現在採用されている厳格かつ総合的な評価方法および目指されている学位ごとに厳格に定められている学修内容の要件を維持することによって授与される学位の質を維持すれば,高等教育のユニバーサル化時代を迎えつつある今日,この種の学外学位プログラムは伝統的な大学が提供する伝統的なプログラムを補完するシステムとして維持発展されると考えられる。 本研究の,学位授与機構の制度整備に対する示唆としては,学修内容と評価を通じた学位の質の維持という点では分野ごとまた各学外学位授与大学ごとにそれぞれ参照すべき事項が指摘できる。またシステムのデザインの面では,研究対象とした学外学位授与大学では学生がプログラムに参加する以前および参加した以降に既習単位の評価や学修方法の指導,学修機会の案内などのアドバイザリを提供して非伝統的な学習形態にある学生の学修を支援するシステムを用意していることなどが同時に参照できる。
|