研究課題/領域番号 |
08201205
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
水永 秀樹 九州大学, 工学部, 助教授 (40226246)
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研究分担者 |
牛島 恵輔 九州大学, 工学部, 教授 (00038001)
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キーワード | 遺跡探査 / 電気探査 / 物理探査 / 3次元イメージング / 3次元インバージョン / シュランベルジャー法 / 流電電位法 |
研究概要 |
本年度は、地表での測定で得られる見掛比抵抗データから、地下の3次元的な比抵抗分布を直接求めることを目的とし、見掛比抵抗データの3次元逆解析プログラムの研究開発を行った。また、発掘調査が予定されていた大阪府岸和田市の久米田貝吹山古墳の探査データに、この解析プログラムを適用して解析結果の検討を行った。 本研究グループでは久米田貝吹山古墳の発掘調査に先立ち、埋葬施設の構造を3次元的に把握することを目的として、平成8年7月11日から14日の期間中に電気探査法による古墳調査を実施した。まず最初に、7月11日には古墳後円部の概略的な比抵抗構造を調べる目的で、マルチチャンネル計測システムを用いた2極法によるマッピンッグ調査を行い、引き続いて7月12日から14日には、精密調査としてシュランベルジャー法による垂直探査を高密度に実施した。 2極法によるマッピング調査において、今回開発した3次元逆解析プログラムを用いてデータ解析した結果、地下は100〜350Ωm程度の比抵抗値を持つ3次元ブロックとして解析され、大局的な3次元比抵抗分布を把握することができた。 次にシュランベルジャー法データを用いて各測線毎の2次元断面解析を行った結果、比抵抗ブロックの比抵抗値は概ね100〜500Ωmの値を示すことがわかった。また全測線のうち測定領域中央部の測線上に、周囲と比べて高比抵抗の領域が検出された。これらの比抵抗分布から石室等の範囲や規模を直ちに推定することは難しいが、何らかの遺構等が存在するとすれば、測定領域中央部の測線上に存在する可能性が高いことが明らかとなった。 久米田貝吹山古墳の発掘調査の結果、埋葬施設の大部分が盗掘を受けていたことが判明したが、シュランベルジャー法の2次元逆解析の結果から得られた高比抵抗異常部は、発掘調査により確認された埋葬施設中央部とほぼ一致していることがわかった。
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