研究分担者 |
里村 雄彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273435)
陸 旻皎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80240406)
和方 吉信 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90201871)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
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研究概要 |
大気・海洋・陸面からなる気候システムの各コンポーネントについて,衛星データ利用,そのための気候モデルの高精度化,4次元データ同化手法の開発,大陸規模の水・熱エネルギー循環の解明,という観点から,研究を実施している. 初年度における個々の研究成果の概要は,以下のようである. ・水文学的な検討に基づき,気候モデルに用いることのできる全球河道網を作成した. ・陸面過程モデルにおけるサブグリッドスケール地形の影響評価を行った. ・二酸化炭素フラックスを算出できる新しい陸面モデルを開発し,3次元局地大気モデルと結合した. ・陸面モデルと大気モデルの結合に伴う空間スケール不整合の取り扱い法の検討に着手した. ・陸面過程モデルと大気データを用いて衛星データと比較すべき全球土壌水分分布を算出した.また,土壌水分分布が大気循環に与えるインパクトを評価し,北半球の夏の場合,アジアモンスーン域や北米域で影響が大きいことを見い出した. ・気候モデルを用いた実験により,高緯度における土壌の凍結過程が大陸規模の水・熱エネルギーフローに有意なインパクトをもつことが明らかになった. ・雲をあらわに分解する高解像大気モデルを構築し,対流雲の引き起こす大気海洋間の水・熱エネルギー交換評価のためのシュミレーションに着手した. ・マイクロ波放射計の輝度温度データを直接大気モデルに同化するスキームを開発し,同化実験を開始した. ・海洋大循環モデルを用いた4次元データ同化システムを構築し,TOPEX/POSEIDON衛星による海面高度データのインパクト評価に着手した. ・簡略化した赤道域海洋モデルに高度な4次元データ同化手法であるカルマンフィルタを適用し,複雑な大循環モデルでのデータ同化手法,及び係留ブイ等の最適な観測ネットワーク配置に関する検討を行った.
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