研究課題/領域番号 |
08241106
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木本 昌秀 東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (30262166)
|
研究分担者 |
和方 吉信 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (90201871)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
里村 雄彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273435)
陸 旻皎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80240406)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
キーワード | 衛星データ / 気候モデル / 4次元データ同化 |
研究概要 |
気候システムの各コンポーネントについて、衛星データ利用、そのためのモデルの高精度化、4次元データ同化手法の開発、大陸規模の水・熱エネルギー循環の解明、という観点から研究を実施している。本年度の研究成果の概要は、以下のようである。 ・全球河道網の作成アルゴリズムの自動化を図り、河川流出データによる検証を行なった。 ・CO2フラックスを算出できる陸面モデルを大気大循環モデルと結合し、大気中CO2の季節変化の再現に成功した。 ・植生-陸面モデルにカルマンフィルタによってデータ同化するスキームを開発した。 ・陸面-大気結合モデルにより、当特定領域研究の植生班が作成した現存植生と潜在植生分布図にもとづき、植生の気候に及ぼすインパクト評価を行った。結果は植生の太陽光反射能に敏感な結果となった。陸面水文過程や対流スキーム、水平解像度に対する感度テストが今後必要である。 ・マイクロ波放射計データの大気モデルへの同化のインパクトを評価した。水蒸気場の改善により、短期降水予報に非常に大きなインパクトがある。 ・雲解像モデルの計算結果を用いて大循環モデルの対流スキームの検証を行った。鉛直の水蒸気分配過程の局精度化が必要、との結果を得た。 ・3次元変分法による海洋表層水温解析スキーム、および誤差推定スキームを開発し、1950〜1997年の0〜500m深、全球1°×1°のデータセットを作成した。十年規模変動等の解析に有用である。 ・海洋衣循環モデルを用いた表層水温,衛星高度計データの4次元同化システムを構築した。衛星高度データは亜熱帯の表層ロスビー波の表現を著しく改善する。 ・大気再解析データによる水熱輸送の計算を行い,衛星データと統合して大陸規模の水・熱エネルギーフローの再評価を行った。往年に比してデータ同化技術の進歩により誤差が減少している。しかし、雲の放射への影響、水循環等に改善の余地も大いにある。 ・熱帯気候形成における大気海洋結合の役割を力学モデルにより明らかにした。
|