研究分担者 |
西 克治 滋賀医科大学, 法医学, 教授 (60073681)
倉田 毅 国立感染症研究所, 部長 (50012779)
前田 均 大阪市立大学, 医学部・法医学, 教授 (20135049)
中園 一郎 長崎大学, 医学部・法医学, 教授 (30108287)
三澤 章吾 筑波大学, 社会医学系・法医学, 教授 (50086534)
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研究概要 |
わが国における乳幼児突然死剖検例の症例数を出来る限り多く集め,SIDSを指標にその実態,どのような剖検診断がなされているか,死亡児の既往歴,死亡時の状況等を知るために,全国の大学法医学教室および監察医事務所に対し乳幼児突然死剖検例に関する調査票を配布し,現在回収中である.また,SIDSに対してどのように考え,どのような診断基準で診断しているのか等のアンケート調査を実施し,現在回収中である.これらの結果は次年度に分析する.一方,研究分担者の症例を持ち寄り,特にウイルス性肺炎の有無を中心に病理組織学的診断基準の設定について検討している.また,乳幼児突然死の裁判例について全国的に収集した19例について分析中であるが,半数の症例で死因はSIDSとして処理され,SIDS診断が法律的に重宝されている可能性を示唆している.基礎的研究として,乳幼児突然死剖検例の慢性酸素欠乏状態の有無をチェックする目的で,SIDSと診断された症例19例についてクロモグラニンAおよびカルシトニン遺伝子関連ペプチドをマーカーに肺神経内分泌細胞の異常の有無,SIDS例27例の脳におけるフェリチン,トランスフェリンの局在,さらに肝臓の線維化の有無等を免疫組織学的に検討している.これらの結果は,統一されたSIDSの定義のもとに,死亡児の既往歴,死亡時の状況等と精度の高い剖検結果とを総合したうえで診断基準の作成を考慮する必要性を示唆している.
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