研究分担者 |
矢倉 英隆 東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 参事 (研究担当) (60166486)
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
田村 眞理 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
菊池 九二三 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (20006117)
|
研究概要 |
セリン/トレオニンホスファターゼ(PP)の研究では,武田がヒトPP2Aの74kDa調節サブユニットB″のA-キナーゼによるリン酸化部位を決定し,リン酸化により基質特異性が変化することを明らかにした。菊池はヒト肝癌細胞HepG2を同調させ,正常肝細胞に比し、PP1のbasalレベル1(酵素量)の上昇とG1/S期での一過性上昇(酵素の活性化)を認めた。久野は分裂酵母を用いてPP2B遺伝子破壊による機能異常を相補する因子としてPmp1を発見した。Pmp1は新規MAP kinase phosphataseであることを明らかにした。田村はCOS細胞を用いて,PP2Cは共発現させたp38のストレス依存性の活性化を抑制した。p38の上流のMKK3及び6,さらにJNKの上流のMKK4及び7の活性がPP2Cによって抑制されたがERKの上流のMKK1は影響されなかった。一方,PP2CのDN型はMKK3,4,6を活性化させた。PP2Cが生理的にSAPKシステムの制御因子として機能すると示唆された。宮本は海馬CA1領域における長期増強が,カリクリンA感受性PP活性(PP1,PP2A)の減少を伴い,PP2C活性は変化がなかった。藤木はトウトマイシン(TA)がオカダ酸(OA)と異なり発がんプロモーション活性を示さないことから,NIH/3T3細胞のシグナル伝達,細胞周期,TNF-α産生に及ぼすTAの作用をOAと比較した。チロシンホスファ夕ーゼ(PTP)の研究では,春日はチロシンホスファターゼSAP-2/SHP-2の基質SHPS-1の細胞外,内ドメインに結合する分子の検索を行い,細胞外リガンド候補蛋白質を肝臓,脳に認めた。日野田はSHP-2がIL-2によって増殖シグナルとは異なる伝達経路を介して活性化されることから,T細胞のcytotoxin活性に寄与する可能性を考え,SHP-2過剰発現リンパ球を確立した。矢倉はB細胞抗原受容体を介するシグナルを制御する新たな分子として,PEST領域を含む細胞内型PTPのPEPを同定し,この過程における必須な役割を明らかにした。渡辺は造血幹細胞の発生起源であるAGM領域の分散培養系を用い,造血発生時のPTP発現パターンを明らかにした。
|