研究分担者 |
池田 伸夫 九州大学, 理学部, 助手 (70193208)
中村 裕之 九州大学, 理学部, 助手 (70172434)
杉光 強 九州大学, 理学部, 助手 (70037216)
中島 孝夫 九州大学, 理学部, 助教授 (90037200)
森信 俊平 九州大学, 理学部, 教授 (50016078)
|
研究概要 |
星の流転を決める上で非常に重要なヘリウム-炭素核融合反応は、20年以上も世界中で注目されながら実験の難しさ故に未だに測定されていない.これを天体で重要な低エネルギー領域まで精密に測定するのが4年間にわたる本研究の目標である。初年度の今年度はこのための技術・装置を開発をした. 1.反応粒子質量分析系の重要素子である粒子偏向電極を,収束計算・電場計算を詳細に行い,高真空・耐放電性をも考慮して設計し製作をした. 2.九大で開発した吹込み型窓なし気体標的の最適化テストから,より厚い標的を作るには気体冷却による拡散の抑制と密度増加が最善であると判明した.改良型を設計している. 3.既設のスパッターイオン源から炭素ビームを引出し,九大タンデム加速器による低エネルギー高強度ビームの加速テストをした. 4.既存の磁石を用いて粒子運動量分析系を組上げ,気体標的を組込み,ヘリウム-炭素融合反応の予備実験を開始し,バックグランド対策の基礎データを収集した. 5.タンデム入射部の1段バンチャーを用いたビームのパルス化テストに成功した.2段化,前段バンチャー追加による高効率化が今後の課題である. 6.低エネルギー高強度ビーム加速のため,ガスストリッパーのベンチテストを行った.吹込み方式が適用できることが判明し,高効率ガスストリッパーが作れる可能性が出てきた.このことは本研究のみならず,幅広く加速器質量分析・大強度ビーム加速にとって一大朗報である. 7.テスト結果をふまえて実際的な実験条件を検討し,炭素-ヘリウム融合反応を数MeVから0.7MeVまで10%程度の精度で測定する計画を立てた.ドイツグループも同様の計画を立てており,目下競争である.
|