研究分担者 |
池田 伸夫 九州大学, 理学部, 助手 (70193208)
中村 裕之 九州大学, 理学部, 助手 (70172434)
杉光 強 九州大学, 理学部, 助手 (70037216)
中島 孝夫 九州大学, 理学部, 助教授 (90037200)
森信 俊平 九州大学, 理学部, 教授 (50016078)
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研究概要 |
本研究では、超新星爆発などの星の変遷や宇宙元素合成比を決める上で非常に重要な^4He+^<12>C【tautomer】^<16>O+γ反応断面積を、E^<cm>が3MeVから700keVまでの領域において、5-10%の精度で直接測定し、星の寿命決定に重要な役割をする300keVでの断面積を精度良く予測することを第一目標にする.2年目の今年度は,上記測定のために不可欠な低エネルギー強力重イオンビーム,窓なし気体標的,前方角度放出荷電粒子(例えば^<16>O)の高効率収束質量分析器の開発を続行し,次年度から測定を開始出来る見通しを得た. (1)ビーム強化・パルス化 天体核実験用に九州大学タンデム加速器を1MV運転(設計電圧6MV)するための新加速方式を考案した.さらに,タンデム加速器に設置する大口径ガスストリッパーも新方式で開発した.この結果,数MeVで10pμAの^<12>Cビーム加速が可能になった.低バックグランド測定のためにビームパルス形状を改善するビームチョッパーを設計製作した. (2)標的 九大で独自開発した吹込み型窓なし気体標的を更に圧力が増すように改良設計した. (3)反応粒子質量分析系 高次収束効果も入れた粒子軌道計算に基づき4個の補助多重極電磁石の製作と,既存4重極電磁石の磁極改造を行った.既に購入した粒子偏向電極の調整を長時間行い,実験に必要な高電場を達成した.全系の真空槽を設計し,8個の電磁石と1個の粒子偏向電極を合わせた分析系全系を組み上げる作業を進めた。 (4)実験計画 ^4He+^<12>C【tautomer】^<16>O+γ反応の断面積測定の実験計画を立案し,それを基に,現在九大と並んで世界をリ-ドしているドイツボッフム大学でWolfs教授と議論・検討をした.また天体核反応ネットワーク計算で^4He+^<12>C【tautomer】^<16>O+γ反応の断面積データが及ぼす影響を算定し,必要な断面積データの精度を評価した.
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