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1998 年度 実績報告書

ケイ素置換パイ電子系および新規有機ケイ素中間体の構築と物性

研究課題

研究課題/領域番号 08404043
研究機関東京理科大学

研究代表者

櫻井 英樹  東京理科大学, 理工学部, 教授 (70025873)

研究分担者 三治 敬信  東京理科大学, 総合研究所, 助手 (00287484)
キーワード反応性中間体 / シリレン / ジシレン / 速度論的パラメーター / 光反応 / 分子内反応 / 二量化
研究概要

ケイ素反応性中間体の化学においてシリレンが容易に2量化しジシレンを形成することはよく知られているが、シリレンの2量化反応の速度論的な研究はこれまで詳細に行われていない。そこで今回新たに t-ブチル(メシチル)シリレンやジメシチルシリレンなどについて、マトリックス中でシリレンが2量化しジシレンを生成する過程を直接UVスペクトルにより測定し、その速度論的パラメーターを計算した。シリレン前駆体としてトリシランを用い低圧水銀灯による光照射によってシリレンを発生させた。t-ブチルメシチルシリレンの場合、500nmのシリレンの吸収が減少するとともに337nnのジシレンの吸収が成長してゆく様子が観測できた。このスペクトル変化を様々な温度について解析し、シリレンの2量化反応の動力学的バラメーターを見積もった。
また、分子内二量化によるジシレンの生成を検討した。前駆体としてトリシランをメチレン鎖で連結したような化合物を設計しその光照射により二つのケイ素上にシリレンを発生させ分子内二量化反応の検討を行い、その過程を紫外可視吸収スペクトルにより追跡した。77Kで光照射すると、500nm付近にシリレンと帰属される吸収が観測され、また77Kからア二一ルしていくと90K付近で新たにジシレンと考えられる420nm吸収の増加が観測された。またEPA中77Kでの光照射後、生成物の解析によってシリレンが分子内に二つ生成しその後、分子内二量化によって生成したジシレンが捕捉された生成物が確認された。このように、分子内二量化によるジシレンの生成は新たな環状ジシレンの形成に有効な方法と期待される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Highly Selective Mono- and Polyallyation of Polychlorosilanes and Disilanes" Organometallics. 17. 5068-5071 (1998)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Silole-Incorporated Polysilanes" J.Am.Chem.Soc.120. 4552-4553 (1998)

  • [文献書誌] T.Hoshi: "Synthesis of Disilacycloalkenes by Ruthenium Catalyzed Ring-Closing Metathesis (RCM) Reaction of a, w-Bis(allydimethylsilyl)-Substituted Compounds" Bull.Chem.Soc.Jpn.72(in press). (1999)

  • [文献書誌] T.Hoshi: "Molecular Structure and Photochemical Reactions of Trimethylsilylmethyl-Substituted Masked Disilene" Chem.Lett. 427-428 (1998)

  • [文献書誌] T.Iwamoto: "Bimolecular Reactions of Tetrakis(tr alkylsilyl)disilenes with Various Reagents" Bull.Chem.Soc.Jpn.71. 2741-2747 (1998)

  • [文献書誌] E.Ebata: "Planar Hexsasilylbenzene diaanion with thermally accessible triplet state" J.Am.Chem.Soc.120. 1335-1336 (1998)

  • [文献書誌] H.Sakurai: "The Chemistry of Organic Silicon Compounds" John Wiley & Sons Ltd, 28 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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