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1996 年度 実績報告書

包接機能を持つ不活性分子の合成と包接化学種の挙動

研究課題

研究課題/領域番号 08404045
研究種目

基盤研究(A)

研究機関九州大学

研究代表者

松田 義尚  九州大学, 理学部, 教授 (10037757)

研究分担者 岡上 吉広  九州大学, 理学部, 助手 (10194333)
磯部 敏幸  九州大学, 理学部, 助教授 (90037242)
横山 拓史  九州大学, 理学部, 助教授 (20136419)
キーワード水素原子 / 包接 / シロキサン / ESR / 緩和時間 / スピンエコー
研究概要

骨格構造の分子設計と構造化学. 拡大包接骨格の構造化学的検討によって,水素原子を包接保持する可能性を持つ骨格は二重5員環構造が上限であることが明らかとなった.この構造では包接水素の骨格内での並進,振動が可能であることが明確にされた.
包接機構の検討. 二重4員環構造の包接骨格分子(Me_3SiO)_8(SiO_<l.5>)_8に対してγ線の照射量を変化させて包接水素量との関係を検討した.その結果,照射線量の増加によって,包接水素量は単純に増加することが明らかになった.
水素源の検討. 末端置換基を持たないイオン対型包接骨格分子に対してγ線照射を行い,包接挙動を検討した.空気中での照射では包接水素は検出できなかったが,減圧下での照射で水素原子が包接されることが確認された.この結果,末端置換基以外の,対イオンも水素源となりうることが明らかになった.対イオンが水素源である場合には,照射によって包接骨格外部に生成した原子状水素が包接骨格との衝突によって骨格内に包接される機構が存在することが確かめられた.この機構は,末端置換基が水素源である場合と異なっていると思われる.
拡大かご骨格分子の合成と精製. 末端置挽基としてMe_3SiOを持つ二重5員環構造の包接骨格分子を合成したが,構造の異なる種々の骨格分子が同時に生成することが明らかとなった.二重5員環骨格分子の単離にはゲルクロマトグラフィーが最適であることが確かめられ,単離に成功した.
拡大包接骨格中の包摂種の挙動. 二重5員環包接骨格分子に対してγ線照射による水素原子の包接を試みた.包接水素量の検討から,包接された水素の骨格外への脱離が示唆された.縦緩和時間の測定から,二重4員環骨格の場合と比較して骨格内部での水素原子の運動が激しいことが明らかとなり,水素原子の並進運動性がESR測定によって定量化できることが明らかとなった.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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