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1998 年度 実績報告書

包接機能を持つ不活性分子の合成と包接化学種の挙動

研究課題

研究課題/領域番号 08404045
研究機関九州大学

研究代表者

松田 義尚  九州大学, 理学部, 教授 (10037757)

研究分担者 岡上 吉広  九州大学, 理学部, 助手 (10194333)
磯部 敏幸  九州大学, 理学部, 助教授 (90037242)
横山 拓史  九州大学, 理学部, 助教授 (20136419)
キーワード水素原子 / 包接 / シロキサン / ESR / 緩和時間 / スピンエコー
研究概要

1. 水溶性及び脂溶性かご分子の合成. 末端置換基をアンモニウム塩とした水溶性かご分子,飽和及び不飽和炭化水素鎖とした脂溶性かご分子を合成した.水溶性かご分子は強度に吸湿性であり,ESR測定には注意が必要であることが判明した.これらのかご分子は,長銀置換基を持つもの以外は固体状態で得られ,前年まで研究したトリアルキルシロキシ基を持つかご分子と類似の結晶内配置を持つものと推定されたが,長鎖置換基を持つかご分子は液体であり,γ線照射時のかご外部の微視的状態が異なると考えられた.いずれのかご分子も,室温での照射によって水素を包接することが確かめられた.
2. 拡大サイズを持つかご分子での包接脱離挙動. トリメチルシロキシ基を持つ10量体及び12量体シラセスキオキサンに液体窒素温度および常温でγ線照射を行い,包接水素量の比較を行った.拡大サイズを持つかご分子は,室温では水素包接を示さなかったが,低温においては8量体かご分子と比較して包接量が数倍増加することが認められた.また,水素脱離の活性化エネルギーは拡大サイズを持つかご分子の場合8量体かご分子の約1/2であることが明らかとなった.この原因は,かごを構成している網サイズが,後者の場合4量体環であるのに対して前者では5量体環であることによると解釈された.
3. 水素の包接状態の検討. 異なるサイズを持つかご分子に包接された水素原子のスピンハミルトニアンパラメーター比較し,排他力および分散力を考慮して解析した結果,超微細分裂にたいして排他力が大きな寄与をしていることが明らかとなった.この結果から,12量体シラセスキオキサンの包接空間は水素原子の体積に対してやや大きいことが推定された.

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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