研究課題/領域番号 |
08407007
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
長尾 省吾 香川医科大学, 医学部, 教授 (60100947)
|
研究分担者 |
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10163974)
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
平島 光臣 香川医科大学, 医学部, 教授 (70109700)
阪本 晴彦 香川医科大学, 医学部, 教授 (60106549)
竹内 義喜 香川医科大学, 医学部, 教授 (20116619)
|
キーワード | 成長ホルモン / 虚血性神経細胞死 / calbrain |
研究概要 |
本年度の研究により以下のことが明らかになった。 1. 成長ホルモンのmRNA転写と蛋白質合成が、免疫抑制剤であるFK506,cyclosporin Aにより、促進されることを示し、そのメカニズムとしてカルシニューリンの抑制が関与していることを証明した。 2. 虚血性神経細胞死を起こした海馬領域に、胎仔の海馬神経細胞を移植すると、記憶・学習機能の回復がみられた。さらに、未分化の神経細胞が移植部位の環境によって、その環境に応じた機能を持つ細胞に分化していくことが推察された。虚血性脳障害後の機能低下の治療として、神経細胞移植が有効であることを示した。 3. 虚血後、低体温にすると虚血性神経細胞死が抑制されることが分かっている。しかし、低体温の条件によってはその保護効果が低下することがある。本年度は低体温の条件、特に復温の条件とその保護効果の関係について詳細に検討した。速い復温では低体温の神経保護効果が低下し、この際、血流と代謝の不均衡による相対的虚血が起こっていたことが分かった。これを防ぐために、階段状の復温が有効であることを示した。 4. 海馬の神経細胞に多く発現されている新しいカルシウム結合蛋白質calbrainは、Calcium/calmodulin-dependent protein kinase II(CaMK2)を抑制することを証明した。 そしてcalbrainが、海馬の長期記憶増強の際に、ダウンレギュレートされ減少することにより、相対的にCaMK2の活性が上昇することを示した。
|