研究課題/領域番号 |
08451080
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊本 崇 東北大学, 文学部, 教授 (00153354)
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研究分担者 |
三浦 秀一 東北大学, 文学部, 助教授 (80190586)
中嶋 隆藏 東北大学, 文学部, 教授 (10004061)
下倉 渉 東北大学, 文学部, 助手 (40302062)
安田 二郎 東北大学, 文学部, 教授 (90036666)
山田 勝芳 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (20002553)
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キーワード | 知識人(前近代) / 士大夫 / 家 / 日記 / 書院 |
研究概要 |
・前年度購入の諸文献に加え〈宋史研究集〉二十余冊を購入し、文献史料の一層の充実をはかった。 ・一方で各地の大学・図書館等での資料蒐集も、継続した。 ・代表者と分担者は随時獲得した資料・成果について情報を交換した。 ・代表者は、北宋の司馬光「日記」、曾布「曾公遺録」に続き、南宋周必大の紹興末から淳煕の間に至る数種の日記すなわち中央政府へ出仕した期間における「龍飛録」「親征録」「思陵録」や、官職を離れた際の旅行記というべき「帰廬陵日記」「間居録」「泛舟遊山録」「乾道庚寅奏事録」「乾道壬辰南帰録」等を調査し、当代士大夫の政治的生活につき一定の理解を得るとともに、北末代の応天書院を例に、日常的学問教育の場と政治的行為との相関につき考察した。具体的にはそこに学びあるいは講学した諸人脈、例えば范仲淹・富弼・石介ら後年の慶暦「改革」派と反「改革」派の尖兵たる張方平の人脈がここに交錯する事実を明らかにし、同書院が後年の慶暦「改革」のいわば縮図であるとの結論を得た。これによって書院という空間における日常性のなかにも、やがて党争にまで至りうる政治性の萌芽が不可分に存在するのみならず、知識人個々においても日常生活は同時に政治的生活でもありうるとの、前近代中国社会のありように対する確信を深めえた。 ・分担者は例えば、朱子学の権威が確立した以後にあってもなお、これを目的化せず、自身を「聖人」となさしめるための日常的思惟・研鑚の過程とその著述活動につき、論考を著した。 ・以上の成果をまとめて研究成果報告書を作成した。
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