研究分担者 |
濱名 裕治 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (00243923)
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (50192125)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70155208)
塩濱 勝博 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20016059)
国田 寛 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (30022552)
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研究概要 |
本研究は実施計画に基づき,おおむね成功したと言ってよい. まず確率平行移動の絶対連続性について,相似平行移動の場合を詳しく解析し,ほぼ解明したと言えよう(文献2).またガウス確率変数列の2値確率平行移動については,これまで知られていた佐藤・玉城(1994)の必要十分条件を劇的に精密・簡明化し,J.-P.Kahaneのmultiplicative chaosに関する予想を明快に否定した(論文準備中).この結果は台湾大学で開催された国際研究集会「確率論と解析学」で発表したが、今後非有界確率平行移動の絶対連続性を研究する上でまたとない例となるであろう. 距離空間で局所密度定理の成り立つ測度が与えられたとき,正数上に定義された単調非増加関数を考えることによって大域密度定理を導くCalderon & Zygmundの定理の一般化については,その特徴づけに完全に成功した(文献1). Treeの上に,あるマルコフ鎖を定義することによって,そのマルティン境界としてSierpinski gasketを特徴付けることに成功した(論文準備中).これは大変よい結果で,Sierpinski gasketの研究に新しい方法を開発したのみならず,一般のフラクタルへの応用も期待される.この研究はゲッティンゲン大学(独)のDenker教授との共同研究であるが,フラクタルの数学的研究の第一人者,北テキサス大学(米)Mauldin教授によるレビューが大変役に立った.Mauldin教授の来日に際して小研究集会を組織したが国内から多くの参加者が有り,大変有意義であった.その他多くの国内研究者との交流を行い,本研究に役立てた.またフラクタル作図に詳しい高知大学諸沢助教授を招いてカラープリンターによる作図の指導を受けた. また分担者谷口,杉田は(無限次元)ガウス測度空間における概複素構造,複素解析を研究し,一定の成功を収めた.
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