研究概要 |
本年度得られた成果としては,1)H^∞設計法による最適アナログ特性を持つディジタルフィルタの設計法,2)離散時間入出力を持つサンプル値系の周波数応答計算法,3)マルチレート信号復元におけるディジタルフィルタ設計法,があり,また現在設計指針の得られたものとして,サンプル点間応答を最適化する多重レートサンプリングによるサブバンドフィルタ設計法がある. これらの内,1)の設計法においては,アナログ特性を出来るだけ位相歪みなくディジタル化する設計法を開発し,実際にButterworth,Besselフィルタなどで設計を行った.その結果,a)ゲイン特性については双一次変換や窓関数による手法と同等,b)位相特性についてはカットオフ周波数帯域において最大20dB程度の偏差の改善をもたらすほどの遅れの改善を確認した.これにより,従来法を大幅に上回るアナログフィルタの離散化設計が行えることが明らかとなった.
|