東南アジアにおける伝統的な住宅生産技術の変容の実態に関しては、主としてマドゥラ島を対象として資料収集分析を行った。また、各研究機関における環境共生技術については、スラパヤ工科大学(ITS)、アジア工科大学(AIT)などの現状についての把握を行いつつある。さらに、国際シンポジウムについては、インドネシア科学院(社会科学人文系)ワークショップ「都市コミュニティの社会経済的問題:東南アジアの衛星都市(ニュータウン)の計画と開発」(1996年6月23日〜30日)およびPLEA(パッシブ・アンド・ロ-・エナジ-)釧路会議「持続可能なコミュニティと建築」について特に資料収集を行った。 具体的なモデル設計のためのケース・スタディとして、スラパヤのル-マ-・ススン・ソンボをとりあげ、その使われ方についての分析を進めつつある。 湿潤熱帯におけるエコハウスの基本概念については、ほぼまとまりつつある。大きな屋根をつくって日陰をつくる。夜間の冷気を蓄積した地面を蓄冷層として、ク-ルチューブで水を循環させる。床(天井、壁)輻射冷房を行う。循環のための動力にはソーラーバッテリ-を用いる。内部空間はできるだけポーラスな構造として、通風を考える。また、断熱材等には可能な限り地域産財を用いる・・・等である。 具体的には設計し、モニターできるところまで3年間で展開したいと考えている。
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