研究概要 |
pHを種々に調整した1M CdSO_4硫酸酸性水溶液中に回転電極を設置しNi基板上に4q/cm^2の電析を行った。同時に電解液中のTeO_2濃度を変化させ定電位電析実験を行ってCdTe薄膜を作成した。得られた薄膜の組成や結晶構造に及ぼす過電圧,pH,HTeO_2^+濃度や電解液温度について検討した。80℃ではpH=1及び1.5においてCdTe(111)面が優先成長した。60℃ではpH=1においてCdの著しい誘導析出が認められた。HTeO_2^+イオンは陰極に吸着して水素気泡発生を抑制する。金属/メタロイド系と金属/カルコゲナイト系電析挙動に見られる水素発生抑制効果から,両者の電析機構の類似性が考察された。前者の場合では陰極基板上のH_3PO_3の吸着平衡を仮定し,H_3PO_3の移動速度から電析機構が論じられた。同様の機構を検討するためにHTeO2+の拡散係数をモワレ方で測定し,HTeO2+の吸着平衡からCdTe膜組成を検討した。また基板の表面状態が電析形態に影響することが認められた。モデル実験としてCuSO4-H2SO4水溶液系でのCuの陽極溶解機構について2波長ホログラフィー干渉計でイオンの濃度分布を測定した。
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