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1996 年度 実績報告書

電子顕微鏡によるフェリチン1分子の構造-機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 08455378
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

永山 国昭  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70011731)

研究分担者 高橋 卓也  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70262102)
キーワード電子顕微鏡 / フェリチン / 構造・機能相関 / 1分子計測 / 生物物理学
研究概要

固体表面のタンパク分子一層の機能アッセイはかって固定化酵素などにおいて研究されてきたが、固定化酵素の場合、固体表面におけるタンパク質の状態、例えば分子の配向、タンパク質のまわりのミクロ環境が不明であり、かつ多くの場合その状態に広いばらつき(非一様性)があると考えられており、何を測定しているかが曖昧であった。本研究では電子顕微鏡でタンパク質分子の構造を観察し、その機能との相関を解析する方法を確立することを試みた。機能が電子顕微鏡で観察できる鉄貯蔵タンパク質フェリチンを対象に以下の具体的研究を行った。
(1)フェリチンを固体基板により安定吸着させる条件はなにか
(2)吸着したアポフェリチンは鉄取り込み活性を持つのか
(3)安定脱着条件と活性には相関があるのか
方法としては(1)として水溶性タンパク質であるフェリチンを、疎水化処理したシリコンウェーハ-に緩衝溶液中で吸着させ、その吸着安定性を、楕円偏光解析法及び透過型電子顕微鏡(SEM)を用いて調べた。また(2)については、基板上に吸着したフェリチンの鉄取り込み活性を、SEMにより直接観察した。この結果、フェリチンの疎水化シリコン基板への吸着現象に関して次のことが明らかになった。
・フェリチンは等電点で最も良く吸着し、この条件での第一の吸着層は安定吸着する。
・溶液中にカドミウムイオンが含有されると、吸着数、及び吸着安定性が増す.
・基板上の吸着アポフェリチンは活性を持つ。活性残存率はpH7.1で吸着したものが、最も高かった。
・吸着安定性と活性残存率は逆の相関が見られた。すなわち安定的に吸着するほどそのフェリチンの活性は平均的に小さかった。
最後の結果は一般に酵素の固定化法との関係で興味深い結果である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] E.Adachi and K.Nagayama: "Formation of Holo ferritin Hexagonal Array in Secondary Films Due to Alder type transition" Langmuir. 109. 1836-1839 (1996)

  • [文献書誌] N.Denkov,H.Yoshimura and K.Nagayama: "Method for controlled formation of vitrified films for cryo-electron microscopy" Ultramicroscopy. 65. 147-158 (1996)

  • [文献書誌] N.Denkov,H.Yoshimura and K.Nagayama: "Nanoparticle Array in Freely Suspended Vitrified Films" Phys Rev.Lett.2354-2357 (1996)

  • [文献書誌] K.Nagayama: "Protein Array Engineering" Supramol.Sci.3. 363-374 (1996)

  • [文献書誌] 永山国昭(編): ""Protein Array"Advances in Biophysics" 学会出版センター, 350 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2013-11-28  

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