研究課題/領域番号 |
08456086
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
喜多山 繁 東京農工大学, 農学部, 教授 (10026502)
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研究分担者 |
藤井 義久 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10173402)
牛木 秀治 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (40160238)
安藤 恵介 東京農工大学, 農学部, 助手 (70262227)
服部 順昭 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90115915)
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キーワード | 吸入性浮遊粉塵 / ベルトサンダー / 砥粒粒度 / 研削圧力 / 研削方向 / ピエゾバランス粉塵計 / 研削条件 / ブナ材 |
研究概要 |
木材のベルト研削で発生する吸入性浮遊粉塵が、研削条件によってどのように影響をされるかを明らかにした。 ブナの板目材をユニバーサルベルトサンダーで研削した。研削圧力の調整を容易に行えるようにするため通常の縦置きプラテンの研削方式を横置きにして研削した。研削条件として、研削砥粒の粒度、研削圧力、研削時間および研削方向を取り上げこれらを直交表に割り付けて27回の実験を行った。吸入性浮遊粉塵濃度の計測はピエゾバランス粉塵計を用い、これを粉塵発生位置から上方に700mm、側方に300mmずらした位置に設置しておこなった。 被削材の大きさは、厚さが30〜40mm、研削面が150mm×150mmのものであり、研削時間あたりの質量減を研削能率として測定した。粉塵濃度の計測は、研削開始直後から3分間のインタバルで2分間の計測を研削前濃度に復帰するまで行った。この間の最高値を最高濃度、平均的濃度として計測値の幾何平均したものを濃度幾何平均値として評価した。また作業空間内の粉塵濃度は一般に研削終了後に指数関数的に低下するが、この時間的な変動を幾何標準偏差値をもって評価した。このような実験計画法の手法による実験を行い、分散分析によって研削条件による粉塵濃度への影響について検討した。この結果、研削能率は研削砥粒粒度、研削圧力、研削方向によって影響を受けるが、吸入性浮遊粉塵濃度は最高濃度、幾何平均値とも研削圧力にのみ影響を受けることが明らかになった。また時間的な濃度の変動はいずれの研削条件にも影響を受けなかった。吸入性粉塵は7μm以下の微細なものであり、なぜこの微細な粉塵の濃度が研削圧力によってのみ影響を受けるのかは、粉塵発生機構、粉塵の大きさと形状の関係、浮遊状況の解析を精密に検討する必要があり、今後これらの研究をさらに発展させる。
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