研究概要 |
米国DuPont社より提供してもらったペンタスターチはハイドロキシエチルスターチの一種であるが日本のハイドロキシエチルスターチと比較して分子量が大きく,透過性の亢進した血管内皮細胞間隙を塞ぐといわれている.どのサイズの分子がそのような作用があるのかを検討するために東ソ-社製,限外濾過モジュールUF-LMS,限外濾過膜UKF-50PS,UF-100PS,UF-300PSを用いて分画分子量5万以下、5万から10万、10万から30万、30万以上に分け,分子量測定を試みたが,うまく分離できなかった.液体クロマトグラフによる分離を検討している段階であるがうまく分離できない場合はペンタスターチをそのまま用い,日本のハイドロキシエチルスターチとの差を動物実験で明らかにする予定である.また血管内皮細胞間隙に本当にハイドロキシエチルスターチが貯留しているかを検討するために組織の固定染色が必要である.ハイドロキシエチルスターチの染色はHE染色で可能であるが,他の染色方法を検討している.電子顕微鏡の固定標本作製技術は現在研修中である.動物実験はネンプタール腹腔内投与麻酔,気管切開人工呼吸,大腿静脈カニュレーション,開腹による外科侵襲により死亡例が多く,手術手技の向上,生存可能な麻酔法,生理食塩水輸液量,換気条件を模索中であり,同時にwet/dry weight測定のコントロール実験を施行中である.
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