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1996 年度 実績報告書

生体力学的分析を応用した顎機能検査法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08457517
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

渡辺 誠  東北大学, 歯学部, 教授 (80091768)

研究分担者 服部 佳功  東北大学, 歯学部, 助手 (40238035)
菊池 雅彦  東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60195211)
佐々木 啓一  東北大学, 歯学部, 助教授 (30178644)
キーワード顎機能検査 / バイオメカニクス / 顎関節症 / 顎顔面形態 / 顎筋筋電図 / 咬合力 / 咬合力分布
研究概要

本研究の目的は、個々の患者から得られるMRI顎顔面データ、顎筋筋電図データ、咬合力データをもとに、生体力学的に顎機能を分析する検査システムを試作し、臨床応用を図ることである。平成8年度においては、正常者ならびに顎関節症患者について、咬みしめ時の咬力力を感圧フィルムを用いて測定し、歯列上の咬合力分布に関する検討を行った。
修復・補綴物の極めて少ない正常有歯顎者6名を被験者とした実験では、咬みしめ動作が咬合力分布に及ぼす影響を明らかにするため、咬頭嵌合位において両側ならびに左右側片側歯列、歯列前、後方での最大咬みしめを行わせた。歯列全体の咬合力に占める下顎各歯の咬合力比は、両側咬みしめにおいて後方歯ほど大きいことが明らかとなった。一方、左・右側片側咬みしめにおいては、両側咬みしめと比較し、咬みしめ側各歯の咬合力比は有意に増大し、とりわけ犬歯、第一小臼歯、第一大臼歯における咬合力比の増大が特徴的に認められた。非咬みしめ側各歯の咬合力比は有意に減少した。前方咬みしめでは、前歯、犬歯、小臼歯における咬合力比の増大と大臼歯における咬合力比の減少が認められた。後方咬みしめでは、第一小臼歯の咬合力比が増大する傾向を示した。
顎関節症患者45名(18〜38歳)については、両側最大咬みしめ時の下顎各歯の咬合力を測定し、正常者42名との比較検討を行った。正常者群の各歯の平均咬合力比から±2SD以内を正常域とすると、第一小臼歯、第一、第二大臼歯における咬合力比の異常が、患者群において有意に多く認められた。また、患者群の咬合力は、正常者群と比較して左右側歯列での対称性を欠いていた。
以上の結果、顎口腔系の生体力学的因子の一つである歯列上の咬合力分布は、咬みしめ動作間、正常者と顎関節症患者間で相違することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 渡辺 誠,他: "デンタル・プレスケールをどう臨床応用するか" 補綴臨床. 29・4. 431-444 (1996)

  • [文献書誌] 服部 佳功: "咬みしめ時の歯列における咬合力分布" 顎機能誌. 2. 111-117 (1996)

  • [文献書誌] 佐藤 智昭,他: "咬みしめ歯列における咬合力分布" 顎機能誌. 2. 101-109 (1996)

  • [文献書誌] 佐藤 智昭: "咬みしめの違いが歯列上の咬合力分布の及ぼす影響" 補綴誌. 40(96). 59- (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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