研究課題/領域番号 |
08555135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 義公 北海道大学, 工学部, 教授 (00040999)
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研究分担者 |
鈴木 辰彦 前沢工業(株), 中央研究所, 研究開発部次長
岡部 聡 北海道大学, 工学部, 助手 (10253816)
中埜渡 丈嘉 北海道大学, 工学部, 助手 (90207853)
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キーワード | MF膜 / マンガン / 溶解性有機物 / 生物酸化 / 粉末活性炭 / フミン質 |
研究概要 |
MF膜を用いて溶解性着色有機成分・溶解性マンガンを効率良く除去する浄水処理システムの検討をプラント実験で実施した。溶解性着色有機成分を除去するシステムとして、凝集処理あるいは活性炭吸着とMF膜ろ過を組み合わせた処理システム、及びこれらに生物学的マンガン除去を組み込んだ処理システムについて検討した。本研究で得られた結果は下記の通りである。 (1)MF膜処理単独では、E260の除去率は約35%であった。これに対し、凝集操作を前処理で行うとE260の除去率は50〜55%に向上する。しかし、凝集剤PACの添加率が0.5mg Al/1の時と、2 mgAl/lの時の溶解性着色有機成分の除去性には殆ど差がなかった。 (2)生物学的マンガン除去とMF膜処理の組み合わせシステムでは、前段の生物接触槽では水温の影響が比較的少なく、溶解性マンガンの約35%が除去された。また、MF膜浸漬槽の汚泥を循環させ原水と混合させるフローでは水温10℃以上では安定した溶解性マンガンの除去が行われ、ほぼ定量限界の0.005mg/lの膜透過水が得られた。ただし、水温10℃以下ではマンガンの除去性は大きく低下した。 安定したマンガン除去を低水温期も維持するには、MF膜浸漬槽の生物密度を更に高濃度に保持する必要がある。 (3)粉末活性炭を間欠的に投入し、汚泥と共に循環させるMF膜装置では低水温期でも粉末活性炭を投入後約3〜4週間で溶解性マンガンの除去性が安定して行えるようになり、比較的生物学的マンガン除去の立ち上がりは早かった。 (4)粉末活性炭を添加したMF膜処理では、良好な溶解性有機成分の除去が可能であった。また、粉末活性炭添加のMF膜処理とMF膜処理後の固定床活性炭処理を比較すると、E260の除去率を高く保持するには粉末活性炭循環型のMF膜装置の方が有利であった。
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