本年度は、以下の研究の実施及び分析を行った。 平成9年1月に国内47都道府県の小学校・中学校4800校に、思春期発達に関する調査用紙を送付し、2月に調査の実施を依頼した。調査校は平成8年中に全国学校総覧を用い、47都道府県の小学校・中学校から無作為抽出した。調査対象は小学校5年生から中学校3年生である。3月14日現在、47都道府県の小・中学校1500校以上から調査用紙を回収している。さらに数百校の回収が見込まれる。被調査人数も60000人を超えると予想される。 この全国調査では、性成熟の指標としての女子の初潮・初経、健康習慣としての1週間あたりの朝食の平均摂食回数、親子関係、女性性の受容に関する質問項目を付加している。調査の回収が終わり次第、単純集計の準備を行う。さらに性的な発達における地域差の視点で、平均初潮年齢の計算を実施し、また心理・健康面の発達と関連させながら分析する。 また大学生対象に以下のような調査を実施した。 女子短期大学専攻科の女子学生に、エゴグラム・テストと性の受容に関するアンケート調査を実施した。性格と性成熟の関係を中心に現在分析中である。 平成8年度大阪大学入学の学生2759名を対象に、性の受容と進学決定過程及び入学の満足度を調査した。性の受容は、入学時の満足度と関連しており、自らの性に満足していないものは、大学入学時の満足度や自己評価も低い傾向が見られた。性の受容が男女とも青年期発達全体に影響を与えていることが確認された。
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